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JWTトークンとサーバーセッションによるログイン機能の違いと使用例

. JWTトークンとは

JSON Web Token(JWT)は、クライアントとサーバー間で情報を安全にやり取りするためのコンパクトなトークン形式です。JWTは、ヘッダー、ペイロード、署名の3つの部分から構成されており、それぞれBase64Urlエンコードされた文字列で表現されます。JWTは、認証や認可に広く使われています。

JWTトークンを使用したログイン機能の使用例

  1. クライアントがユーザー名とパスワードをサーバーに送信します。
  2. サーバーがユーザーの認証を行い、認証に成功した場合、JWTトークンを生成してクライアントに返します。
  3. クライアントは、以降のリクエストにJWTトークンをAuthorizationヘッダーに含めて送信します。
  4. サーバーは、JWTトークンを検証し、有効な場合はリクエストを処理します。

2. サーバーセッションとは

サーバーセッションは、サーバー側でユーザー情報や状態を一時的に保存する仕組みです。セッションIDを用いてクライアントとサーバー間でセッションを識別し、認証や認可に利用されます。

サーバーセッションを使用したログイン機能の使用例

  1. クライアントがユーザー名とパスワードをサーバーに送信します。
  2. サーバーがユーザーの認証を行い、認証に成功した場合、セッションIDを生成し、クライアントに返します。
  3. クライアントは、以降のリクエストにセッションIDをCookieに含めて送信します。
  4. サーバーは、セッションIDをもとにセッション情報を取得し、有効な場合はリクエストを処理します。

3. JWTトークンとサーバーセッションの違い

  • ストレージ: JWTトークンはクライアント側で保持され、サーバーセッションはサーバー側で保持されます。
  • スケーラビリティ: JWTトークンはステートレスなので、複数のサーバー間で共有する必要がありません。一方、サーバーセッションはセッション情報をサーバー側で保持するため、スケーラビリティが低いです。

4. メリットとデメリットの比較

JWTトークン

メリット:

  • ステートレス: サーバーがユーザー情報を保持する必要がないため、スケーラビリティが高い。
  • SPAに適している: クライアント側でトークンを管理するため、サーバーとの通信が簡単になる。

デメリット:

  • セキュリティ: クライアントに情報が保持されるため、トークンの漏洩リスクが高い。
  • トークンサイズ: ペイロードに情報を持つため、トークンサイズが大きくなる可能性がある。

サーバーセッション

メリット:

  • セキュリティ: セッション情報がサーバー側に保持されるため、情報漏洩のリスクが低い。
  • トークンサイズ: セッションIDのみをクライアントとやり取りするため、通信量が少ない。

デメリット:

  • スケーラビリティ: セッション情報をサーバー側で管理するため、スケーラビリティが低い。
  • セッション管理: セッション情報の有効期限管理やサーバー間での共有が必要になる。

5. JWTがSPAで使用される理由

JWTは、ステートレスであるため、スケーラビリティが高く、サーバーの負荷を軽減できます。また、SPAではフロントエンドとバックエンドが分離されているため、クライアント側でトークンを管理するJWTが適しています。これにより、APIリクエスト時に簡単に認証情報を付与でき、バックエンドの処理もシンプルになります。
ただし、JWTを使用する場合は、トークンのセキュリティ対策が重要です。

6. Next.jsのSSRやSSGでの適用

Next.jsは、Reactベースのフレームワークで、Server-Side Rendering(SSR)やStatic Site Generation(SSG)をサポートしています。これらのアプローチを用いる場合、JWTトークンとサーバーセッションのどちらが適しているかを検討します。

SSR(Server-Side Rendering)

SSRでは、各リクエストごとにサーバーでHTMLを生成してクライアントに送信するため、サーバー側でユーザー情報や認証情報を処理することが容易です。このため、サーバーセッションを用いた認証が適しています。ただし、JWTトークンも使用可能で、リクエストヘッダーやCookieを通じてサーバーに送信することで、サーバー側でトークンを検証して認証を行うことができます。

SSG(Static Site Generation)

SSGでは、ビルド時に静的なHTMLファイルを生成するため、リクエストごとにサーバーでHTMLを生成する必要がありません。このため、クライアント側での認証処理が主になり、JWTトークンを使用した認証が適しています。一方で、サーバーセッションを用いた認証は、リクエストごとにサーバーとの通信が発生するため、SSGの恩恵が少なくなる可能性があります。